「おかえりモネ」と「貞山政宗公遺訓」

校長 永井康博

NHK朝の連続ドラマ「おかえりモネ」が先月末で終了しました。本校の震災学習を通して縁のある、宮城県気仙沼市がドラマの舞台であったので、録画をして就寝前に観ることが私の日課となりました。

 主人公の永浦百音(愛称モネ)が生まれ育った亀島(気仙沼市大島)は、気仙沼湾の入口に位置し、面積8.5㎢(興居島とほぼ同じ面積)で入口約2,300人の島です。(東日本大震災では20mを越える津波と火災によって大きな被害を受けました。)モネは高校卒業後、島を離れ、内陸部の登米に移ります。そして、祖父の古くからの友人で仙台藩伊達家の家老の子孫である新田サヤカの家に下宿し、森林組合で働くことになります。

 新田家には「貞山政宗公遺訓」が大きく掲示されており、モネもそれを唱えるというシーンがありました。「貞山政宗公遺訓」は五常訓とも言われ、五常とは儒教で重んじられている「仁・義・礼・智・信」の五つの徳をさし、伊達政宗は以下のように説いています。

 仁に過ぐれば弱くなる

 義に過ぐれば固くなる

 礼に過ぐればへつらいとなる

 智に過ぐればうそをつく

 信に過ぐれば損をする

 

 簡単言えば何事もやり過ぎは禁物、ということなのですが、それぞに深い意味があり、自分自身を省みる際の良き指針となります。

 たとえば、「仁に過ぐれば弱くなる」とは、情けをかけ優しく接することはとても大事なことではあるが、度が過ぎると相手に甘えが生じてしまうことがある。優しさに甘えてしまい、自分自身では何も解決できない人間になってしまい、結局は相手のためにならないということです。優しさの中にも一方では厳しさを持ちながら人と接していくことが大切だと政宗は教えてくれていると私は考えます。

 「仁・義・礼・智・信」の五徳をいつも心掛けるとともに、度を過ぎないことを、心に留めておきたいと思います。

新型コロナウイルスの感染が少し落ち着いてきました。ただ、冬にかけて第6波の襲来を予想する専門家もいます。済美高校独自の対策は継続しますので、ご理解・ご協力をお願いします。

2021年11月01日