絵を聴く保育 ~女性の生き方と保育~
保育アドバイザー 土居 桃子 氏
【目的・要旨】
保育士を目指している生徒が多数在籍し、また、近い将来母親として育児を経験するだろう生徒も多くいる。描画活動を通した保育についてお話を伺い、絵を描きながら子どもとコミュニケーションを図る方法や、子どもへの接し方を知ることは生徒たちにとって大変有効だ。また、命を育める女性として、自分らしく幸福感ある生活をしていくためには何が必要なのかについて知り、将来に活かしてほしいという目的で実施した。
保育士として25年間働いた講師は、保育士という仕事が何よりも面白くそして重要な仕事だという。27歳の時、子どもたちが描いた素晴らしい絵に出会い衝撃を受け、それが「絵を聴く保育」をするきっかけになった。「絵を聴く」とは、「絵を教える」のではない。子どもにどのようなことをしてあげればよいのか、またどのような環境を作ってあげればよいのかを、生活全般にわたり考えていく子育て方法だ。子どもと1対1で、「そうなんだ!」「いいね!」「何を描いたの?」と話しながら絵を描くことで、子どもの才能をどんどん広げていくことができる。さらに、「私はできる」という自己肯定感を持つことも大切だ。自己肯定感の高い子どもに育てるためには、子どもにどのような接し方をすればよいのかも具体的に教えていただいた。
「あなたの人生の主役はあなた」だ。人生の選び方は直感で良い。ワクワクすることが、あなたのすべきことで使命だ。好きなことを続けていれば、いずれそれが何らかの形になる時がくる。また、頼まれることは二つ返事で引き受けよう。その人を信頼し、向いていると思うから頼まれるのだ。毎日ポジティブな言霊を自分にかけ、自分を大切にしてほしい。「将来○○になりたい」という今の純粋なひらめきを大切にし、実行に移してみることが大事だ。先生からの温かい励ましの言葉に、生徒たちも勇気づけられた様子だった。
今回の講座で、描画活動を通した保育の素晴らしさを知り、また先生ご自身の人生経験をお話ししていただいたことで、生徒たちがこれからの人生を前向きに考え、将来保育士や母親になった時に、子どもにどのような言葉を伝え、どのような気持ちで接していけば良いのかを、具体的に学ぶことができた。
【生徒の感想】
- 子供を否定したり、何かを強制したりするのではなく、小さなことでも褒めたり質問したりし、子どもに興味や関心を持つことが、子どもの自信に繋がることが分かった。また、私もいつか母親になった時、どんな時も子供に寄り添い、1番の味方でいられる強い存在になりたいと思った。
- 人生の主役は自分自身なので、自分がなりたいと思った将来を大切にし、失敗を恐れず、どこまで頑張れるか挑戦し、あきらめず夢を叶えていきたい。
- 私の夢はまだ決まっていないが、自己肯定感を高めていくために、自分自身に前向きな言葉をかけ、自分を大切にしていきたいと思う。さらに、挑戦していく気持ちとピュアな発想を大切にし、日々頑張っていきたい。
土居 桃子氏
講義に集中する生徒たち