○○鉄 私は時刻表鉄

校長 永井康博

 新型コロナウイルス「オミクロン株」の感染拡大に対して奮闘されている全ての医療従事者の皆様に心より感謝申し上げます。さらに、学校現場は保健所の方に大変お世話になっています。感染拡大が始まって以来、多忙を極める中で、いつも親切・丁寧にご指導をいただいています。改めてお礼申し上げます。

 

 私は学生時代から旅行を趣味としています。出掛ける前に、まず時刻表を使って計画を立てます。妄想を膨らませながらプランを作り上げていくこの時間がとても楽しいのです。

 ところが、今は大変便利な「駅探」というインターネット上の交通情報サイトがあり、私もよく利用しています。出発地・目的地・経由地・出発日・出発時刻など必要情報を入力すると、瞬時に所要時間順・料金順・乗換回数順にプランが出てきます。さらには駅構内などの案内もあり。至れり尽くせりです。

 しかし、私のようなアナログ人間、鉄道ファンの分類でいう「時刻表鉄」からすると、今ひとつおもしろくありません。時刻表だから作れるプランもあるのです。

 次に一つの例を紹介します。

 「山口県柳井港駅を朝6時台に出発し福岡県博多駅に行く場合」

  必要事項を「駅探」に入力すると、次のようなプランが第1番目に示されます。

 乗り換えも1回で済み、所要時間も最短でベストのプランが表示されます。しかし「時刻表鉄」の私は、次のようなプランを作成しました。

 運賃・料金も全く同じで、到着時刻が15分だけ遅くなります。「駅探」のプランだと15分早く着きますが、新山口駅まで普通列車に1時間30分乗車することになります。私のプランだと普通列車の乗車時間が40分と短くなり、徳山駅で途中下車して、駅周辺を散策するなどのゆとりの時間が生まれます。

 1分1秒でも早く到着することを目指すビジネスで使うなら、「駅探」などのサイトを使うのが便利だと思いますが、時刻表を使うと、このような新たな土地での出会いを愉しむチャンスも生まれます。これが、本来の旅の醍醐味だと思うのです。

 私にとっては、時刻表の小さな数字と格闘しながら、旅のプランを練る時間が、まさに旅の助走なのです。この時間が一番楽しいと言っても過言ではありません。

 自由に旅に出られない今だからこそ、妄想を膨らませながら極上のプランを練り上げ、コロナが終息したら、時刻表を携えて旅に出たいと思っています。

2022年02月01日