2024年(令和6年)辰年
校長 永井康博
新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。
新年早々にショッキングなニュースが飛び込んできました。まず元日の午後には石川県能登地方で大きな地震が発生し、多くの犠牲者が出ています。建物やインフラ等の被害も大きいようです。亡くなられた方のご冥福と、怪我をされた方の一日も早い回復をお祈り申し上げます。
私たちの住む地域も、近い将来今日の地震と同等以上の巨大地震が発生すると、政府の公式発表が出ています。自分の命を守るために何をしなければならないか真剣に考えておいておかなければならないと、改めて痛感しました。
また2日には、羽田空港で日本航空の旅客機と海上保安庁の飛行機が滑走路上で衝突して炎上するという大事故が発生しました。海上保安庁の職員の方が5名亡くなられましたが、日本航空の旅客機の方は、少数の怪我人が出たものの、乗客・乗員379人全員が無事脱出できたことは不幸中の幸いでした。海外でも、この脱出は奇跡的だと報じられていますが、乗務員の方の日頃の訓練に基づいた冷静かつ的確な指示、それに従った乗客の協力があっての奇跡だと私は確信しています。本校においても地震や火災を想定した避難訓練を定期的に実施していますが、今後は今まで以上に教職員・生徒一丸となって自分事として真剣に取り組んでいきたいと思います。
ところで、今年は、辰年です。辰年は「陽の気」が動いて万物が振動するので、活力旺盛になって大きく成長し、形がととのう年だと言われています。また、十二支の中で竜は唯一空想上の生物で、権力や隆盛の象徴であることから、出世や権力に大きく関わる年と言われています。
過去の辰年の主な出来事を調べてみました。今から12年前の2012年には、京都大学の山中伸弥教授がIPS細胞の研究でノーベル生理学・医学賞を受賞し、24年前の2000年には、シドニーオリンピックでマラソンの高橋尚子さんが、日本の陸上女子選手として初めて金メダルを獲得しています。辰年は、長年努力した結果が実を結ぶ年であるようにも感じます。
3学期始業式では、パナソニック(松下電器産業)の創業者で「経営の神様」と言われる松下幸之助さんの話を紹介しました。
私の経験からつくづく思うことは、何事にもよらず、志を立てて始めた限り、少々うまくいかないとか、失敗したからといって、簡単にあきらめてしまってはいけないということです。ひとたび志を得なくても、それにめげることなく、「もう一度やってみよう」と、気を取り直して、再び辛抱強く地道な努力を重ねていく。そうすると、新たな道がひらけてくるということもあるものです。
松下幸之助さんは、世の中でいう失敗の多くは、辛抱ができず成功するまでに諦めてしまうところにあるのではないか。すなわち、「成功した人とは、成功するまで諦めなかった人である。」と言っているのだと思います。新年に定めた目標に向かって最大限の努力をし、頑張ってほしいという気持ちを込めて全校生徒にこの話をしました。
新校舎の建築に関しましては大変ご迷惑をお掛けしておりますが、昨年末から旧本館・南校舎の残りの部分の解体工事が始まりました。そして4月からは、いよいよⅡ期工事が始まります。引き続きご理解・ご協力をお願いします。