海洋熱波
校長 永井康博
秋の味覚と言えば皆さん何を思い浮かべるでしょうか。以前なら「サンマ」と答える人が多かったと思います。この時期になると、丸々と太り脂が乗ったサンマがスーパーなどの店頭に安価で並んでいましたが、今は高価な上、サイズの小さいものしか見当たりません。私の知人が住む、全国有数のサンマ水揚げを誇る宮城県気仙沼市でも、以前のようなサンマは手に入らないようです。
先日、朝日新聞にショッキングな記事が掲載されていました。
北海道のブリ激増
「見慣れない魚」水揚げ90年代の20倍
北海道では1990年代、ブリの水揚げ量は約400トン程度。それが、2020年代には15,000トンを超えている。量だけでなく品質も申し分なく、有名な富山県「氷見の寒ブリ」にもひけをとらないとの評価も受けている。驚くことに、首都圏のスーパーでは、天然もののブリの切身と言えば北海道産が当たり前になっている。
では、なぜ北海道でブリの漁獲量が増えたのでしょうか。記事は続きます。
「海洋熱波」続き北へ
北海道でブリの漁獲量が増えた要因として海洋熱波の影響が指摘されている。海洋熱波とは、海水温が極端に高い状態が5日以上続く現象をいう。北海道と東北沖では近年は秋から冬にかけても海洋熱波が続くようになっている。サンマの不漁も海洋熱波が影響している。
地球温暖化の一番の原因は、我々が大量のエネルギーを使用することであると考えられています。地球温暖化を防ぐためには、私たち一人ひとりが、省エネルギーに取り組むことが一番大切です。ただ、「言うは易く行うは難し」ということわざがあるように、エネルギーをふんだんに使う贅沢になった生活の質を一挙に下げるのは至難の業です。
そこで、学校生活においてあまり無理なく出来そうなことを考えてみました。1つ目は、一番エネルギーを消費するエアコンの適切な使用です。近年猛暑が続く夏において冷房の設定温度を今より上げることは難しいと思いますが、これから暖房として使用する場合は工夫の余地があるように感じます。冬でも天気の良い日の昼間は気温も上昇します。そのような時は、不要な照明を消すような感覚でエアコンのスイッチを切るという習慣をつけていきたいものです。
2つ目は節水することです。日本の水道水は世界で一番清潔な水であると言われています。ただ、ダムから浄水場に送られた水を安全な水道水にするまでには大量のエネルギーを使用しています。節水することが省エネに繋がることを再認識していきたいと思います。
3つ目は、家庭クラブが実施している「ペットボトル・アルミ缶回収」に積極的に協力することです。きれいに洗い、分別すれば立派な資源になるとともに省エネにもなります。
今や地球温暖化に無関心ではいられない時代に突入しています。対策を求められているのは政府や企業だけではありません。一人ひとりが実践できる小さな工夫も、地球温暖化の防止に役立つものと確信しています。