校歌と学園歌(2)

校長 永井康博

 学園歌「光りになろう」は、創立百周年を記念して作られたものです。単なる記念歌ではなく、翌年の男女共学スタートに向けて、新しい済美高校にふさわしい校歌が必要でした。従来の校歌は女子校時代に作られ、歌詞も含め女子が歌うことを前提に制作されたものだったので、男子が歌うのには少し無理がありました。ただ、伝統ある校歌なので、共学後も校歌として残して式典などで使用することにし、全員で斉唱する際は学園歌を用いることにしたのではないかと思います。
 作詞は、当時本校の国語科教員であり、同窓会長でもあった一色加壽子先生。作曲は音楽科教員の藤田浩先生。理事長佐々木寅義先生、校長石丸博先生のご指名があったようです。
 一色先生は、作詞にあたって次のように語っています。

 従来のどこにでもあるような校歌は創らない。新世紀、21世紀にふさわしい、どこにもない、独創的な済美創立二世紀にふさわしい学園歌を創ろうと決めた。済美のイメージに合った、どこまでも明るく、どんな時にも元気の湧いてくる歌詞をと考え続けて、閃いたのが「光」である。 

 素晴らしい歌詞を受け取り、作曲を担当した藤田先生も大変ご苦労があったようで、次のように当時を振り返っています。

 孤独にパソコンとキーボードと寝食を共にし、毎日いろんな鼻歌が生まれては消えた。結果、3曲の全く性格の異なった曲が誕生。(現代音楽風、単純明快風、ハーモニック風)その中でこれからのいろんなシーンを想定して、最もマッチしたハーモニック風のものを採った。

 学園歌が大ブレークしたのは、2004年、第76回選抜高等学校野球大会に、本校野球部が創部2年目にして初出場し、初優勝を飾った時です。甲子園で勝利を重ねる毎に、全国から「校歌(学園歌)を録音したのも」が欲しいという電話や手紙が多数寄せられました。急遽CDを作成し希望する方にお送りしました。今までに累計約6,000枚のCDをお送りしているようです。今現在は、本校ホームページから音源が取れるようにしており、多くの方にご利用いただいております。
 誕生して23年の学園歌「光になろう」ですが、様々な場面で、生徒達が誇らしげに、そして堂々と歌う姿を見る度に、済美高校にとってこの歌が既になくてはならないものとなっていることを実感し、嬉しく思っています。
2024年08月01日