〔秀作賞〕
美術科3年 近藤 希歩(城西中学校出身)日本画専攻
「憧れ」
この作品は、高校3年生になり、将来に対して様々な感情を抱いている自分自身を描いています。瓶の中で膝を抱えた私が瓶の外に視線を向けることで、外の世界への「憧れ」を表しました。暗く描いた背景は不安や葛藤を表現し、明るい色彩で描いた瓶から溢れ出る靄は不安を覆い隠すほどの将来に対する希望や期待感を表しました。今回の制作では特に「憧れ」という感情をどうすれば表現できるのかを模索し、何度も目や口の開き方などを調整し、ぎりぎりのところで納得のいく表情を描くことができました。
高校生最後の50号(91×116.7㎝)作品となり、このような素晴らしい賞を頂くことができて嬉しい気持ちと同時に、美術科で3年間学んできたことを最大限活かすことができたのだと実感することができました。
高校生最後の50号(91×116.7㎝)作品となり、このような素晴らしい賞を頂くことができて嬉しい気持ちと同時に、美術科で3年間学んできたことを最大限活かすことができたのだと実感することができました。
〔奨励賞〕
美術科3年 松林 みよ(徳島・城西中学校出身)日本画専攻
「拳禅一如」
私は高校2年時から一貫して人物を描き、人の心情や人生観といった目に見えない内面的な魅力の表現を追究してきました。
題名の「拳禅一如」とは心と体は一つであり、どちらか一方を鍛えるだけでは真の成長は得られないという少林寺拳法の教えです。研鑽する兄の姿を、画面の奥から手前へ5段階に分けて描写することで、長い修行を経て徐々に技術と精神を成熟させていく過程を表現しました。私自身も小学校2年生から続けており、その中で得た自らの成長のイメージと兄の成長の姿を客観的に描いて絵の中で組み合わせることで、私にしかできないリアルな「成長」を形にすることができたと思います。
題名の「拳禅一如」とは心と体は一つであり、どちらか一方を鍛えるだけでは真の成長は得られないという少林寺拳法の教えです。研鑽する兄の姿を、画面の奥から手前へ5段階に分けて描写することで、長い修行を経て徐々に技術と精神を成熟させていく過程を表現しました。私自身も小学校2年生から続けており、その中で得た自らの成長のイメージと兄の成長の姿を客観的に描いて絵の中で組み合わせることで、私にしかできないリアルな「成長」を形にすることができたと思います。
〔奨励賞〕
美術科3年 木村 恋菜(城西中学校出身)洋画専攻
「降る雪と喜ぶ犬」
雪景色の中を黒い柴犬が走っている姿を描きました。この作品では自分の新しい表現方法を取り入れました。それは、画面の表現を平坦にせず、縦に線を入れたようなマチエール(絵肌)をたくさん作ることです。マチエールを活かし、立体的に描いた白の模様は上から落ちてきているようにも、下から湧き上がっているようにも見えます。この模様で降り積もる雪や犬の心情を表現しました。表情が見えない後ろ姿の犬ですが、心の底からこの状況を喜び、楽しんでいるように描きました。
しとしとと降っている雪と、犬の湧き上がる楽しい気持ちに着目し、その対比している情景を活かした作品にすることができたと思います。今回の作品では、主に絵画ならではの工夫を取り入れることを意識し、そしてそのことが自分の表現の幅を広げるきっかけになったと思います。
〔奨励賞〕
美術科3年 門田 大河(砥部中学校出身)洋画専攻
「僕が僕になるために」
過去の経験があったことによって、今を生きる自分自身が形作られているということを表現したいと思い制作しました。テーマは「自分を形つくるもの」です。画面中央に座っているのが現在の自分、その周りにいる子どもたちは過去の自分で、現在の自分へと成長していく時間の流れを意識しました。また、過去の自分たちを幻想的に描くことで、実際に存在しているのではなく、自分自身の内面にあるものだと感じられるように努めました。
途中、自分が思うように表現することができず、筆が止まってしまうこともありましたが、制作を始めた時の気持ちを思い出し、粘り強く取り組むことで、自分が思い描く表現にたどり着くことができました。この作品制作を通じて私は、独自の主題表現を実現させる難しさと、それができた時の喜びや達成感を深く感じることができました。ようやく自分に自信を持つことができた作品です。
途中、自分が思うように表現することができず、筆が止まってしまうこともありましたが、制作を始めた時の気持ちを思い出し、粘り強く取り組むことで、自分が思い描く表現にたどり着くことができました。この作品制作を通じて私は、独自の主題表現を実現させる難しさと、それができた時の喜びや達成感を深く感じることができました。ようやく自分に自信を持つことができた作品です。
2024年12月19日