『令和2年を振り返って』

校長 末廣久行

   新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)という100年に1度の国難に見舞われた今年は、これまで当たり前だったことが、実はどれほど有り難いことだったかを気づかせてくれた1年でもありました。
   そんな令和2年も残すところ僅かとなりましたが、此処に来て「第3波」といわれる感染拡大が全国で起こっており、冬休みは家庭で過ごす日々となりそうです。  自粛が求められる短い休みですが、済美生の皆さんには「自分との対話」の時間を取ってほしいと願っています。
 何故かと言えば、私たちは自分の外側のものに対しては、五官(目・耳・鼻・口・皮膚)を駆使して上手に対応できるのですが、「自分との対話」はあまり得意でない為、言動が「自分のことは棚に上げて」になることが多いからです。
   奈良の薬師寺の管主(住職)を務められた高田好胤さんも、理想的な人間としての生き方として「人には弁護士を、自分には検事を」と説いておられます。 私たちも折に触れて「自分との対話」の時間を持つことで、「人のことを言うのもいいけれど、自分はどうなんだ」と常に自問自答できる人でありたいものです。
   ワクチンの開発が急ピッチで進んでおり、日本でも2月後半にはワクチン接種が開始されると言われていますが、未だ未だ安心できる状況ではありません。
   皆さんがコロナ禍で学んだ教訓を活かし、「したいことは諦めず、すべきことは焦らず、できることは比べず」をモットーに、今後もウィズコロナに対応できる「心のワクチン」の開発に努めくれるよう切望し、今年最後のメッセージとします。

令和2年12月25日(金)

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