秋は夕暮れ

校長 永井康博

 日中はまだまだ暑い日が続いていますが、朝夕は随分涼しくなり、やっと秋の気配を感じるようになってきました。私は四季の中では秋が一番好きです。
 平安時代中期に、清少納言によって執筆されたと伝わる随筆「枕草子」には以下のように書かれています。
 秋は夕暮れ。夕日の差して山の端いと近うなりたるに、鳥の寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり、まいて、雁などのつらねだるが、いと小さくみゆるは、いとおかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はた言うべきにあらず。
 
  秋はなんといっても、夕暮れがいい。夕日が差して、山の端に近くなっているころに、カラスがねぐらに帰ろうとしている。その急いで飛んでいく様子には風情がある。ましてや雁などが連なって飛んでいくのがとても小さく見えるのも、たいそう趣がある。日が沈んだ後の、風の音や虫の声などはもう言葉に尽くせない。
 清少納言は、「春は曙」・「夏は夜」・「秋は夕暮れ」・「冬はつとめて」(早朝)が良いと記しています。
たわわに実った稲穂越しの夕景が見られるのもあとわずか。実りの秋を満喫しつつ、清少納言のように、四季の移ろいを肌で感じながら日々を過ごしていきたいものです。
 夏の暑い時期には、帰宅時は疲れ果てて周りの景色を気にする余裕などもなかったのですが、最近はきれいな夕日に思わず見とれてしまうことが、しばしばあります。
 私には好きな「夕日スポット」が2カ所あります。1つ目は、JR堀江駅~光洋台駅間。今は電化され、短時間で電車が駆け抜けますが、私が列車通学をしていた高校生時代は、国鉄のディーゼル機関車がゆっくりとしたスピードで客車を牽引しており、松山沖の忽那諸島に沈んでいく夕日をのんびりり眺めることができました。2つ目は、今治市大島の亀老山(標高約300m)展望公園。しまなみ海道が開通してからは多くの人が訪れるようになり、展望台も立派に整備されました。設計は新国立競技場の設計者としても有名な隈研吾さんです。そこから望む来島海峡大橋・瀬戸内の島々へ沈んでいく夕日は最高です。日本一の「夕日スポット」だと思っています。しまなみ海道大島南インターチェンジから車で約10分、少し道幅が狭い所もありますが、案内標識も整っていますので、迷わず行くことができると思います。
 
 さて、新校舎の建築も順調に進み、10月下旬には7階建の新校舎が完成します。建物自体はほぼ完成し、現在は内装工事が急ピッチで進んでいます。11月には移転を済ませ、旧本館・南校舎の残りの部分の解体が始まります。そして新年度からは6階建の校舎を新築する工事がスタートします。引き続きご迷惑をお掛けしますが、ご理解・ご協力をお願いします。
2023年10月02日