新プロジェクトX

校長 永井康博

 新年度がスタートして早くも一か月が経ちました。新入生473名も少しずつ学校に慣れて、生き生きと学校生活を送っている様子がうかがえます。新型コロナからも、ほぼ解放され、令和6年度がよい形でスタートできたことを大変嬉しく思います。

 ところで、先月6日(土)からNHKで「新プロジェクトX~挑戦者たち~」という番組がスタートしました。この番組は、2000年から約5年間放送された「プロジェクトX」が18年ぶりに復活したものです。前シリーズは太平洋戦争後の「戦後復興」と、その後の「高度経済成長」が主なテーマでした。さまざまな家電製品・自動車・旅客機などの開発、新幹線・黒四ダム・瀬戸大橋などの巨大建設工事に関わった人を紹介し、またたく間に人気番組となり、大きな反響を呼びました。5年間続いた番組が終了し、私は寂しい思いをしていましたが、今回新シリーズが始まり、大変喜んでいます。この番組制作を担当された久保健一チーフプロデューサーが番組に込めた思いや見どころを、以下のように語っています。

 僕は今51歳なので、大人になってからの過ごした時間の大半が「失われた時代」なんですよね。それでは、僕たちの世代は子どもや孫に負の遺産しか残してこなかったのか?というと、決してそんなことはないと思うんです。戦後の復興期や経済成長が右肩上がりだった時代に比べると、時代を象徴するような巨大プロジェクトは減りましたが、でも、より良い社会を作ろうと、多彩なアイデアや夢を抱き、ひたむきに働いている人は今もたくさんいます。そうした人々を「失われた時代」という言葉で簡単に括るのではなく、その挑戦や活躍に光を当てたいと思いました。どんな時代にも頑張っている人がいることを証明したい、そして2024年の今こそ光を当てるべきテーマがあるはずだと考えたのが、今回新シリーズ制作に踏み切った理由です。

 新シリーズ第1回目のタイトルは、「東京スカイツリー天空の大工事~世界一の電波塔に挑む~」でした。高さ634mは電波塔としては世界一。東武鉄道の貨物駅跡という狭い場所に建てられています。当初から難工事が予想されていましたが、それを見事にやり遂げたのが、日本を代表するスーパーゼネコン「大林組」です。番組では、日本の伝統美と最先端技術を駆使した近未来的な建築を融合させたあの構造や工法を編み出すまでの苦難や、現場を指揮する方々や実際に作業を進める職人さん達の苦闘が描かれていました。

 スカイツリーは、本校の修学旅行の見学先にもなっています。その高さに驚き、眺望の良さに感動することと思いますが、多くの人の知恵と努力によって完成したということを、是非とも知っておいてもらいたいと思います。

「大林組」さんに施工を担当していただいている本校の新校舎の建設も、来年3月完成を目標に始まりました。もう暫くご迷惑をおかけしますが、引き続きご理解・ご協力をお願いします。

2024年05月01日